身近な草花や、ハートで感じるスピリチュアルな話題や、詩や音楽や美術展、日常事等、徒然に記します。

江戸人の暮らしの息遣い、鈴木春信・浮世絵展「名古屋ボストン美術館」にて

 

10月8日に閉館が決まっている名古屋ボストン美術館。
僅か20年での閉館は残念でなりません。

この名古屋ボストン美術館での、

”鈴木春信・浮世絵展”は

一月で終了していますが、現在は福岡市博物館で開催中です。(8月26日まで)

個人的にはとても魅力的な展覧会で、魅了され、3度も出かけました。
で、その感想が今頃?と遅すぎですが、記事書きかけのまま、時がどんどん過ぎ・・・。(^-^;

画像引用:名古屋ボストン美術館、鈴木春信展パンフレットより

鈴木春信・浮世絵展 パンフレット表
鈴木春信・浮世絵展 パンフレット表:「梅の小枝を折り取る男女」
(1766年(明和3年)絵暦)

解説右側に桃の一枝を手折ろうとする若衆、
左側にその様子を振り返るように見つめる娘が描かれ、初々しい恋の予感、と。

 

鈴木春信(1725~1770)は、


錦絵創始期の第一人者として知られる浮世絵師です。
絵師としての活躍は10年余りの短い期間で、絵師として人気絶頂の頃、病にて急死しています。

主題は、若い恋人たちや、母と子、さりげない日常、古典主題から発想された見立て絵、などで、
人物は柔らかな線で描かれ、細い手足、何気なさげな動き、
どの絵にも見られる着物の繊細な揺らぎは特徴的で、
室内の様子であれば部屋の匂いや物音さえ聞こえそうで、
またどの絵からも、温かで穏やかなまなざしが感じられます。

 

(画像は配布パンフレットからの抜粋です。)

鈴木春信・絵 五常「智」
五常「智」 1767年(明和4年)

色鮮やかな錦絵です。日常の中に見られる知性と教養。

五常は儒教による、人が常に守るべき徳目のことで、
絵は「仁・義・礼・智・信」の中の”智”とされる。

 

鈴木春信・絵「寄菊」夜菊を折り取る男女
「寄菊」夜菊を折り取る男女
  1769-70頃(明和6年―7年頃)

 

 その画面は一見
甚だ清楚にして乱雑ならず、
常に軽く軟かき感情を与ふ。

—-永井荷風【江戸芸術論】「鈴木晴信の錦絵」

 ~「名古屋ボストン美術館ニュース」2017NO62より~

↑鈴木春信・浮世絵の特徴を見事に言い得ているのではないかと・・・・。・

 

鈴木春信・絵 夕立
夕立 1765年、明和2年 (絵暦)

 

鈴木春信・絵 見立孫康
見立孫康 1765年 明和2年 (絵暦)

絵暦は絵の中に暦が隠されています。
それを読み解くのが、江戸人の粋か・・・・・。

 

鈴木春信・絵 浮世美人寄花
浮世美人寄花 笠森の婦人 卯花
1769年(明和6年)

明和の3美人と呼ばれる中の一人、お仙が描かれています。

 

鈴木春信・絵 八つ橋の男女
八つ橋の男女(見立八つ橋)
1767年(明和4年)

 

伊勢物語の第9段「東下り」が想起される見立て絵です。

鈴木春信・絵 風流江戸八景
風流江戸八景 駒形秋月
1767年 明和5年

 

絵はどれも画面が小さいです。
江戸の人々はこれらの錦絵を手に持ったり、土壁などに張ったりして楽しんだのだろうか?
当時の暮らしの様子に思いが行きます。

そうして窺い知れるのは、江戸民衆の文化意識の高さや、
知的な遊び心を粋に持ち合わせた教養の高さ、
生活の質の良さのようなことで、大江戸の文化資質の充実したハイレベルぶりに、驚かされるのでした。

 

鈴木春信の浮世絵は、ほとんどが海外に有るため、
国内で、これだけまとまった数の展覧会を見られる機会は、滅多にありません。
今回の展示の国内巡回は、現在の福岡が最後となっています。

興味があって、福岡に行かれそうな方、この機会をお見逃しな~く。^^

 

 

—  © 2016年  Life綴り ~風の光・花の音~  —

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